発熱外来
発熱外来
当院では感染拡大を予防するため、下記症状に当てはまる方は発熱外来対応(要予約)をさせていただきます。
上記以外でも必要と判断した場合には発熱外来対応とさせていただく場合がございます。
いずれの場合も予防の基本は人込みを避ける・手洗いうがいをすることが重要です。潜伏期の間も他人へ感染させる可能性があります。以下に発熱を引き起こす代表的な病気をいくつかを記載します。
1)インフルエンザ感染症
インフルエンザウイルスによって引き起こされる急性の呼吸器感染症です。毎年冬季に流行し多くの人々に感染します。一般的な風邪と似ていますが、ご高齢の方や妊婦・基礎疾患をお持ちの方へ感染すると重症化することがあります。
【潜伏期】1~4日(中央値:2日程度)
【症状】発熱・寒気・咳・喉の痛み・筋肉痛や関節痛・全身の倦怠感・頭痛・鼻水や鼻づまり
【治療】イナビル、ゾフルーザ、タミフル等の抗ウイルス薬が用いられます。発症48時間以内の投与が推奨されており重症化予防と早期回復を促します。
その他、
・十分な休養をとる
・水分をしっかりとる
・栄養バランスの取れた食事を摂る
も早期の回復には非常に重要です。冬季の流行前10〜12月にワクチン接種を行う場合が多く感染予防や重症化予防に有用です。
感染力が強く特に基礎疾患をお持ちの方やご高齢の方等はワクチンの接種を推奨しております。
2)新型コロナウイルス感染症
SARS-CoV-2というウイルスによって引き起こされる感染症です。
2019年末に中国で最初に報告され、瞬く間に世界中に広がりました。COVID-19は主に飛沫感染や接触感染によって広がり、呼吸器系の症状を引き起こすことが特徴です。重症化すると肺炎や急性呼吸促拍症候群(ARDS)、多臓器不全を引き起こすこともあり特にご高齢の方や基礎疾患をもつ方はリスクが高いといわれています。
【潜伏期】2~7日(中央値:2~3日)
【症状】発熱・咳・のどの痛み・鼻汁・頭痛・息切れや呼吸困難・倦怠感・筋肉痛や関節痛喉の痛み・味覚や嗅覚の喪失
【治療】基本的な治療は対症療法が中心となりますが、症状の重さによって治療法は異なります。
・軽症・・・自宅での療養が基本です。十分な休養と水分補給を心がけ、症状が悪化した場合は医療機関に連絡します。
・中等症・・・医療機関での治療が必要です。酸素投与や抗ウイルス薬(例:レムデシビル)の使用が検討されます。
・重症・・・集中治療が必要となり、人工呼吸器やECMO(体外式膜型人工肺)などの高度な医療が提供されます。
また、重症化リスクを有する方には抗ウイルス薬の投与も検討されます。
1)ラゲブリオ:18歳以上で重症化リスクのある方に適応となります。妊娠の可能性のある方への投与はできません。発症5日以内の投与が推奨。
2)パキロビッド:12歳以上かつ体重40kg以上の方で重症化リスク因子のある方に適応となります。併用できない薬があります。
3)ゾコーバ:12歳以上の方が適応で発症3日以内の内服が推奨されます。妊娠している方は内服できません。併用できない薬があります。
パキロビット、ゾコーバは併用できない薬が多いのが特徴です。また公費の適応も2024年3月末で終了しています。薬価も高く通常の感冒薬で自宅安静とするケースが多い印象です。
3)扁桃腺炎
喉の奥に位置する扁桃腺が炎症を起こす疾患です。主にウイルスや細菌感染が原因で発症します。特に細菌による感染が原因の場合、適切な抗菌薬での治療が必要になります。
【症状】発熱・喉の痛み・首のリンパ節の腫れ・頭痛・倦怠感・発疹
特に溶連菌感染の場合は
・中耳炎
・副鼻腔炎
・リウマチ熱
・急性糸球体腎炎
を合併する場合があります。早期の十分な期間の抗生物質による治療が大切です。
【治療】抗生物質・解熱鎮痛剤の内服、十分な休養
合併症や重症化の予防のため、症状改善後も抗生物質は必ず飲み切るようにしましょう。
早期診断が大切ですので、喉の痛みがなかなか治らず高熱が持続する場合は医師の診察を受けましょう。
4)急性胃腸炎
胃や腸に急性の炎症が起こります。ウイルス性、細菌性等がありますがほとんどの場合はウイルス性で感染力が強いです。ノロウイルスやロタウイルスが代表的ですが原因の特定に至らない場合が多いです。
【症状】腹痛・下痢・吐き気・嘔吐・発熱・だるさ・脱水症状
【治療】基本的な治療は対症療法が中心となります。脱水が進行してしまったり水分が取れない場合は点滴を行います。
高齢な方が感染した場合、高度の脱水状態になりなくなる場合もあります。また、虫垂炎(盲腸)や憩室炎といった抗生物質を内服しないと治らない場合もあります。まずはお気軽にご相談ください。
上記以外にも熱が出る病気はたくさんあります。
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