心不全は早期発見が鍵!注意すべき初期症状と予防法は?|蕨市蕨駅・西川口駅の内科・循環器内科|わらび内科・循環器内科クリニック

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医療コラム

心不全は早期発見が鍵!注意すべき初期症状と予防法は?|蕨市蕨駅・西川口駅の内科・循環器内科|わらび内科・循環器内科クリニック

心不全は早期発見が鍵!注意すべき初期症状と予防法は?

心不全は心臓のポンプ機能の低下や不整脈、弁膜症等により体全体に十分な血液を送ることができなくなる状態です。早期に発見し、適切な治療を行うことで、症状の進行を防ぎ、生活の質を維持することが可能です。

※出典:公益財団法人 日本心臓財団

高齢化に伴い心不全の患者数も右肩上りで増加しています。心不全は入院加療をするごとに予後が悪くなっていくことがわかっており早期の時点での診断・治療がとても重要です。

しかし、初期症状は見過ごされがちであり、日常生活での注意が重要です。今回は心不全の初期症状とその対策について詳しく解説します。

①心不全の初期症状とは?

心不全の初期症状は、他の病気や単なる加齢、疲労と混同されやすいものが多く含まれます。以下のような症状に注意してください。

息切れや呼吸困難

  • 階段を上る、軽い運動をする際に息切れが起きる。
  • 横になると呼吸が苦しくなり、寝るときに枕を高くしないと眠れない。(起坐呼吸といい代表的な症状です)

むくみ(浮腫)

    • 足や足首、ふくらはぎにむくみが出る。
    • 指で押すと跡が残るほどのむくみが現れる場合も。

    体重増加

      • 短期間で急激に体重が増える(体内に水分が溜まっている可能性)。
      • 日々の体重変化が12kg以上ある場合は要注意。

      疲労感や倦怠感

        • 以前はできていた日常動作が疲れるようになる。
        • 何をするにもエネルギーが湧かず、極度の疲労感を感じる。

        頻尿

          • 特に夜間にトイレに行く回数が増える(夜間頻尿)。これは下肢に溜まった水分(浮腫)が横になることで心臓に戻り血流量が増えるからです。また、交感神経の緊張も低下し腎動脈が拡張することで腎血流が増加し尿量が増えます。さらに心不全患者さんは睡眠時無呼吸症候群の合併が多く、夜間に無呼吸によるストレスから利尿ホルモンが分泌され夜間多尿となります。夜間の頻尿症状・多尿症状から心不全が発見される場合もあります。

          動悸や胸の不快感

            • 脈拍が速くなる、または不規則に鼓動する。
            • 胸の重苦しさや圧迫感を感じることも。

            ②心不全の原因とは?

            心不全はさまざまな原因によって引き起こされます。以下はその主な原因です。

            高血圧

            高血圧が続くことで心臓に負担がかかり、心臓の機能が低下します。高血圧性心疾患と呼ばれます。

            心筋梗塞(虚血性心疾患)

            冠動脈(心臓の血管)の病気が原因で、心筋に十分な血液が供給されなくなります。心臓の筋肉に壊死が生じ、収縮力が低下します。

            弁膜症

            心臓の弁が正常に働かなくなることで血液の流れが妨げられます。

            不整脈

            心臓のリズムが乱れると、血液を効率的に送ることができなくなります。心房細動などが該当します。

            糖尿病、脂質異常症

            糖尿病や脂質異常症(高コレステロール)が動脈硬化を進行させ、狭心症・心筋梗塞を起こした結果心不全を引き起こすことがあります。

            甲状腺機能異常

            甲状腺機能亢進症(Basedow病)

            甲状腺機能が異常に亢進すると、代謝が異常亢進する事で心拍数が異常に早くなり、亢進拍出性心不全という状態を起こすことがあります。

            また、心房細動という不整脈を合併する場合がありこれも心不全を引き起こすことがあります。

            甲状腺機能低下症(橋本病)

            甲状腺機能が低下すると脈拍や心臓の収縮力の低下を起こし心不全の原因となる場合があります。

            貧血

            血中のヘモグロビンが低下すると酸素供給量が低下し、心臓自体にも障害が起き心不全の原因となります。また、全身への酸素供給量も低下しするためこれを補おう心拍数、心収縮力が高まります。この状態が長く続くことでさらに心臓に負担をかけ心不全を起こします。

            ビタミンB1欠乏

            脚気という神経障害を引き起こす病気をご存知でしょうか。こちらも心不全の原因となります。妊娠中の栄養不足や過度なダイエット等が原因となります。食生活が豊かになった現代で見ることは少ないですが、以前は白米を中心とした食生活で原因もわからず国民病として多数の方が亡くなっていた歴史があります。

            これらの他にも原因を挙げればたくさんありますが上記が代表的です。

            ③心不全の診断と検査方法

            心不全が疑われる場合、以下のような検査を行います。

            血液検査

            • 心不全の指標となるNT-proBNPという数値を測定します。他にもヘモグロビン(貧血の指標)、甲状腺機能などを測定します。

            胸部X線検査

              • 肺に水が溜まっていないか、心臓が拡大していないか等を確認します。

              心電図検査

              • 不整脈や虚血性心疾患の有無、心拍数などを確認します。

              心エコー検査

              • 心臓の構造や動き(収縮力)、弁膜症の有無や程度を調べることで、心不全の重症度や原因を特定します。

              ④心不全の予防と生活改善

              心不全を防ぐためには、生活習慣を整えることが重要です。以下は予防のポイントです。

              食事の見直し

              • 塩分の摂取を控える(16gを目安)。減塩は非常に重要です。
              • 野菜や果物を積極的に摂取し、バランスの取れた食生活を心がける。

              適度な運動

              • ウォーキングやストレッチなど、心臓に負担をかけすぎない軽い運動を取り入れる。
              • 有酸素運動を定期的に行う。

              体重管理

              • 日々の体重を測定し、急激な増減がないかを確認する。

              禁煙と節酒

              • 喫煙は動脈硬化の大きなリスクとなるため、禁煙しましょう。
              • アルコールは適量を守る。アルコール多飲でも心機能低下を引き起こす場合があります。

              ストレス管理

              • ストレスは心拍数や血圧を上げる原因となります。ストレス解消法を見つけましょう。

              ⑤まとめ:気になる症状があれば早めに受診を!

              心不全は進行性の疾患であり、放置すると症状が悪化してしまいます。しかし、初期の段階で適切な治療を始めることで、症状をコントロールし、生活の質を維持することが可能です。

              当クリニックでは、心不全の早期発見に役立つ検査や治療を提供しています。「最近、疲れやすい」「息切れが気になる」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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