帯状疱疹予防ワクチン「シングリックス」の有効性 水痘ワクチンとの違いは?|蕨市蕨駅・西川口駅の内科・循環器内科|わらび内科・循環器内科クリニック

〒335-0002 埼玉県蕨市塚越5丁目6-35イオンタウン蕨内クリニック 駐車場目の前
TEL.048-229-9777
WEB予約
WEB予約 アクセス LINE
ヘッダー画像

医療コラム

帯状疱疹予防ワクチン「シングリックス」の有効性 水痘ワクチンとの違いは?|蕨市蕨駅・西川口駅の内科・循環器内科|わらび内科・循環器内科クリニック

帯状疱疹予防ワクチン「シングリックス」の有効性 水痘ワクチンとの違いは?

 2026年4月より帯状疱疹ワクチンの定期接種が開始となります。対象は65歳・70歳・75歳・80歳・85歳・90歳・95歳・100歳以上の方となり補助金額は各自治体により異なります。(65歳以上の5の倍数年と100歳以上の方)

今まで補助対象であった50〜64歳の方は、2026年3月31日までが猶予期間となっており、この期間で補助が終了となります。

シングリックスは最低2ヶ月間あけて計2回の接種が必要となりますので、遅くとも1回目を2026年1月には接種をしないと補助が受けられなくなります。シングリックスは2回の投与で約10年以上は効果の持続が確認されております。ご希望の方は早めに予約・接種を行いましょう。(直前は需要過多により在庫が少なくなる可能がございます。お電話にてご予約ください。TEL:048-229-9777

本日は帯状疱疹とワクチン接種についてのお話です。

 

帯状疱疹とは?

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)によって引き起こされる疾患です。水疱瘡(みずぼうそう)にかかったことがある人の体内に潜伏しているウイルスが、加齢や免疫力の低下をきっかけに再活性化することで発症します。帯状疱疹は、皮膚のピリピリとした痛みを伴う発疹を特徴とし、治療開始が遅くなったり重症化すると「帯状疱疹後神経痛(PHN)」と呼ばれる慢性的な痛みが残ることがあります。

 

帯状疱疹後の心血管疾患リスク

複数の研究により、帯状疱疹と心血管疾患の関連性が示されています。

🔹 帯状疱疹発症後1年間の心筋梗塞・脳卒中のリスク

  • 帯状疱疹を発症した人は、発症後1年間で心筋梗塞のリスクが約1.7倍脳卒中のリスクが約1.5倍に上昇JAMA Neurology, 2014)。
  • 特に50歳以上や免疫力が低下している人ではリスクがさらに高まる

🔹 PHN(帯状疱疹後神経痛)のある人はさらにリスク増

  • 帯状疱疹が重症化し、長期間痛みが続く帯状疱疹後神経痛(PHN)がある人では、心血管イベントのリスクがさらに高まる

帯状疱疹ワクチン接種推奨される

以下のような人は、帯状疱疹を発症すると心血管疾患リスクがさらに高まるため、ワクチン接種が特に推奨されます。

高血圧、糖尿病、脂質異常症など生活習慣病を持っている人

心筋梗塞や脳卒中の既往がある人

免疫抑制状態にある人(がん治療中、透析中、HIV感染者など)

慢性腎臓病(CKD)のある人

このようなリスクのある人は、帯状疱疹を予防することで、心血管疾患のリスクも抑えることができます。

シングリックスとは?

シングリックス(Shingrix)は、帯状疱疹の予防に特化した組換えサブユニットワクチンです。従来の水痘ワクチン(生ワクチン)とは異なり、免疫抑制状態の方にも接種が可能です。

シングリックスの有効性

シングリックスの有効性は、複数の臨床試験で証明されており、特に50歳以上の成人において帯状疱疹の予防効果が高いとされています。

50歳以上の帯状疱疹予防効果
・シングリックス:97%ZOE-50試験)
・水痘ワクチン(生ワクチン):51%

70歳以上の帯状疱疹予防効果
・シングリックス:91%ZOE-70試験)
・水痘ワクチン(生ワクチン):38%

帯状疱疹後神経痛(PHN)予防効果
・シングリックス:90%
・水痘ワクチン(生ワクチン):67%

シングリックスは帯状疱疹予防だけでなく、帯状疱疹後神経痛の発症リスクも大幅に低減することが証明されています。

シングリックスと水痘ワクチンの比較

シングリックス(Shingrix

水痘ワクチン(生ワクチン)

ワクチンの種類

組換えサブユニットワクチン

生ワクチン

接種回数

2回(2ヶ月間隔、最大6ヶ月以内)

1

帯状疱疹予防効果(50歳以上)

97%

51%

帯状疱疹予防効果(70歳以上)

91%

38%

帯状疱疹後神経痛(PHN)予防

90%

67%

免疫抑制患者への適応

不可

持続効果

9年以上の持続が確認

5年程度

副反応

接種部位の痛み・腫れ、発熱、倦怠感など

軽度の発熱、発疹など

シングリックスは、帯状疱疹予防効果が高く、持続期間も長いため、水痘ワクチンよりも優れた予防策といえます。

 

シングリックスの副反応

シングリックスの主な副反応は、注射部位の痛みや腫れ、倦怠感、発熱などで、多くの場合23日で改善します。特に1回目より2回目の方が副反応が強く出ることが報告されています。

副反応は一時的ですが、帯状疱疹の長期的なリスクを考えると、接種するメリットが大きいといえます。

まとめ

シングリックスは水痘ワクチンに比べ、帯状疱疹と帯状疱疹後神経痛の予防効果が大幅に高い。
持続期間が長く(9年以上)、免疫抑制状態の人にも接種可能。
副反応は一時的なものが多く、長期的な帯状疱疹リスクを考えると接種のメリットが大きい。

接種をご希望の方はご連絡ください。

TEL:048-229-9777

TOP