どきどきの原因 心臓と心臓以外の原因|蕨市蕨駅・西川口駅の内科・循環器内科|わらび内科・循環器内科クリニック

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医療コラム

どきどきの原因 心臓と心臓以外の原因|蕨市蕨駅・西川口駅の内科・循環器内科|わらび内科・循環器内科クリニック

動悸は、「心臓がドキドキする」「心拍が速い」「動くと苦しい」など、心臓の異常な感覚として現れる症状です。

 ・脈が早い場合(>100/分)

 ・リズムに乱れがある場合(脈不整)

 ・胸が痛い事をどきどきと感じる(胸痛)

 ・脈を強く感じてしまう

 ・息切れ

 

一言で動悸といっても上記のように様々な場合があります。

 

 

1.心疾患(心臓の病気)による動悸・息切れ

 

 心疾患は重篤化する場合もありまず第一に鑑別しなければなりません。以下は代表例になります。

1.不整脈

2.狭心症・心筋梗塞

3.肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)

4.弁膜症・心不全     

5.心筋炎・心膜炎      ・・・・・・etc     

 

不整脈では心房粗動・心房細動や発作性上室性頻拍などの不整脈が代表的です。

特に心房細動は、高齢者や高血圧、糖尿病などの生活習慣病を抱える人に多く見られ脳梗塞の原因にもなるため早期診断が重要です。

日本には現在約100万人心房細動をお持ちの方がいらっしゃると推算されており今後も増加が見込まれています。

今回は心疾患以外による動悸症状をメインでお話しするため、詳しくはこちらをご参照ください。

 

2.心臓以外の病気による動悸

 

心疾患以外にも、動悸の原因となる内科疾患があります。これらの疾患は、生活習慣病やホルモンの異常、自律神経の乱れなどが関与していることが多いです。

 

1.甲状腺疾患

 甲状腺は体の代謝を調整するホルモンを分泌しており、その機能が過剰になると心拍が速くなり、動悸を引き起こします。

甲状腺機能亢進症

甲状腺ホルモンの過剰分泌により、代謝が異常に活発化します。心拍数が増加し、動悸や手の震え、体重減少、下痢といった症状を認める場合があります。

代表的なものとしてBasedow病があげられます。血液検査や甲状腺超音波検査等を組み合わせ診断・治療を行います。

発熱や意識障害、高度の頻脈、心不全症状を伴う場合は甲状腺クリーぜといって命に関わる場合もありすぐに救急搬送が必要になる場合もあります。

一般的には投薬治療で軽快を目指しますが、治療効果が乏しい場合は手術加療を行う場合もあります。

 

2.貧血

 貧血は体内の赤血球やヘモグロビンが不足する状態で、酸素の運搬能力が低下します。その結果、心臓は酸素を全身に供給するために心拍数を上げる必要があり、動悸が引き起こされます。酸素の運搬能が低下する状態が続くと動いた際に息切れ症状が出現します。

貧血の原因として最も多いのが鉄欠乏性貧血であり鉄剤の補充を行います。

その他、ビタミンB12欠乏や葉酸の不足、胃切除後であったり腎機能が悪いなども貧血の原因となる場合があります。

貧血については血液検査を行い不足している要素があれば補充を行います。一般的にHb<7.0g/dlとなると輸血が必要になると言われています。

 

3.低血糖

低血糖は、血糖値が急激に下がることで、体内のエネルギー供給が不足する状態です。

動悸や冷や汗、震えなどが見られ、特に糖尿病をお持ちの方がインスリンを過剰に摂取した場合や血糖を下げる薬を複数内服している場合、

また一部の不整脈に対する薬(Ia群薬:シベンゾリン、ジゾピラミド)も低血糖を起こすことが知られています。

低血糖状態を放置すると脳に障害を残す場合もあります。速やかなブドウ糖補充が必要です。

 

4.肥満(高血圧・脂質異常症・糖尿病)

これらの生活習慣病は動脈硬化の原因となります。動脈硬化が進展した結果、狭心症を起こし胸が痛くなったり動くと息切れがする場合があります。

また、これらの病気は肥満と関連性があり肥満の方は心臓へ負担がかかるため頻脈になりやすいです。

この頻脈を動悸として捉える場合もあります。頻脈の方は心疾患にかかることが多いことがわかっています。

不規則な食生活や運動不足、喫煙、過度な飲酒なども要因となります。早期の治療や生活習慣の改善によって疾病リスクを軽減させましょう。

 

5.自律神経失調症

自律神経失調症は、自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが乱れることで起こる状態です。ストレスや過労、不規則な生活習慣がその原因とされ、動悸やめまい、息切れ、不安感、冷え性などの多様な症状を引き起こします。

様々な内科の病気の可能性を除外した後に診断されることが多く、体質・生活改善に漢方薬を加えて治療を行う場合があります。

 

6.心因性

特定の状況(電車に乗る、人前で話す)でどきどきする、不安感が強いといった場合には心因性の場合が考えられます。

パニック障害等を強く疑う場合には心療内科を紹介する場合があります。

 

3.診断のために行う検査

 

複数の検査を行い診断を行います。

・血液検査・・・心不全のマーカーや貧血の有無、甲状腺ホルモン、生活習慣病等の確認

・心電図・・・不整脈や狭心症の有無を確認

・holter心電図(24h持続心電図)・・・来院時は症状なく病院外で症状がある場合に行う

・胸部X線(レントゲン)・・・心拡大・心不全の徴候が無いか

・心臓超音波・・・弁膜症や心機能など形態の異常が無いか

 

 

4.動悸を予防するための生活習慣の見直し

 

動悸の予防には、日常生活の中で心臓にかかる負担を軽減することが重要です。以下は、動悸を引き起こすリスクを低減するために役立つ生活習慣改善のポイントです。

 

  1. バランスの取れた食事: 高血圧や脂質異常症を予防するために、塩分や飽和脂肪酸の摂取を控え、野菜や魚、果物を中心とした食事を心がけましょう。
  2. 定期的な運動: 適度な運動は、血圧やコレステロール値をコントロールし、心臓の健康を維持するために有効です。特に有酸素運動が推奨されます。運動により心肺機能が強化されると多少の運動負荷では心拍数が大きく上昇しなくなります。
  3. ストレス管理: ストレスは動悸の大きな要因となります。リラックスする時間を持ち、適度に休息を取ることが重要です。
  4. 禁煙・禁酒: 喫煙は動脈硬化のリスクを高め、飲酒は心拍数を上げるため、動悸を引き起こす原因となります。近年では少量の飲酒も癌のリスクになることがわかってきました。

  

上記のように心臓以外の原因でも様々な要因で動悸症状を起こす場合があります。

ただ、心疾患は日本人の死因の第2位にもランクされる病気です。いずれの原因の場合も問診・診察と検査から背景に重篤な病気が隠れていないかをまず第一に検索し適切な治療を行う事が重要です。

このような症状でお悩みの方はご相談ください。

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